公開日:2023.12.01
更新日:2023.12.01
故人の死を悼む期間である喪中の際は、正月のお祝い事や結婚式などの慶事は控えたほうがよいとされており、新年を祝う挨拶状である年賀状の代わりに「喪中はがき」を送るのが適切です。
喪中はがきは別名「年賀欠礼状」とも呼ばれ、身内に不幸があり喪中のため、年賀状を出さないことをお詫びする挨拶状です。
本記事では喪中はがきの書き方のほか、いつまでに出せばいいのか、誰に送ればいいのかなど、喪中期間や範囲についても詳しく紹介します。
喪中はがきを書く前に気をつけるべき点は以下の5つ。
この5点に気をつけて喪中はがきを出す準備をすれば、失礼にあたることはないでしょう。
喪中はがきは、喪に服しているため年賀状による新年の挨拶を辞退する旨を伝えるためと、喪中の相手に年賀状を出すという行為を相手にさせないために、出す必要があります。
しかし、たとえ身内であっても喪中としない場合や、喪中期間が3ヶ月・6ヶ月未満で年末には喪中期間が過ぎて、喪中はがきを出す必要がない場合もあります。
喪中とするのは何親等までなのか、親等によって喪中期間はいつまでなのかを解説します。
一般的に喪中の範囲は、自分(差出人)を中心に2親等までの親族が亡くなったときです。3親等にあたる叔父、叔母、甥、姪などは喪中の範囲外のため、喪中はがきを出す必要はありません。
ただし、2親等以内でなくても親しい間柄で喪に服したい意向がある場合は、喪中はがきを出しても問題ありません。大切なのは喪中とする本人の気持ちです。
差出人との続柄 | |
---|---|
1親等 | 父母・配偶者・義父母・子・子の配偶者 |
2親等 | 祖父母・義祖父母・兄弟・義兄弟・孫・孫の配偶者 |
3親等 | 曽祖父母・伯父・伯母・叔父・叔母・甥姪・曽孫 |
喪中期間は親等によって異なり、1親等は最長13ヶ月、2親等は最長6ヶ月です。祖父母や兄弟など2親等の方が亡くなられた場合、故人の亡くなられた月によっては、喪中はがきを出す必要はありません。
例えば年始に兄弟が亡くなった場合、喪中は最大6ヶ月です。そのため年末には喪中期間が過ぎているため、喪中はがきを出さなくても問題ありません。
差出人との続柄 | 喪中期間 | |
---|---|---|
1親等 | 父母・配偶者・義父母(配偶者の両親) 子供・子の配偶者 |
12~13ヵ月 |
2親等 | 祖父母・義祖父母・兄弟・義兄弟 孫・孫の配偶者 |
3~6ヵ月 |
3親等 | 曽祖父母・伯父・伯母 叔父・叔母・甥姪・曽孫 | 喪中としない |
喪中はがきは11月〜12月初旬までに出すのが一般的です。年賀状の投函期間は例年12月15日〜12月25日のため、先方が年賀状を書き始める期間を考慮し、喪中はがきは遅くとも12月初旬までに出すのがよいでしょう。
12月に身内の不幸があった場合、葬儀の準備などで12月初旬までに喪中はがきを出すのは大変です。その際は、喪中はがきではなく寒中見舞いを出しましょう。
喪中はがきは親族や友人、故人がやり取りしていた相手など、普段から年賀状を交換しているすべての方に送るのが一般的です。
また、葬儀に参列してくださった方にも送るのが礼儀です。訃報を知っているからといって、喪中はがきを送らないとことは失礼にあたる場合があります。
プライベートでは接点のない仕事の取引先など、ビジネス関係のみの間柄に対しては、喪中であることを知らせずに年賀状を出す場合もあります。
また、親睦の深い親族に対しては、メールや口頭で喪中であることを伝え、喪中はがきを省略される方もいます。
喪中はがきは例年10月頃から販売が開始され、以下のような場所で購入できます。
喪中はがきを購入するときの注意点として、「喪中はがき」と呼ばれる商品自体は存在しません。弔事用の「普通はがき」または「私製はがき」を用意する必要があります。
郵便局やコンビニで「喪中はがきをください」と言うと、胡蝶蘭が切手欄に印刷されている無地の「普通はがき」もしくは「私製はがき」が用意されます。これがいわゆる喪中はがきにあたります。
デザイン付きの「普通はがき」や「私製はがき」を使うときは、花が描かれているシンプルな絵柄を選ぶのがマナーです。
私製はがきの場合は「弔事用63円普通切手・花文様」を別途用意する必要があります。
そのため、私製はがきは普通はがきよりも割高になりますが、私製はがきのほうがより丁寧な印象を与えられます。お世話になっている相手には私製はがきを使うなど、普通はがきと使い分けるのもよいでしょう。
また、通常用の普通切手が余っているからといって、「弔事用63円普通切手・花文様」以外の切手を貼るのはマナーに反するため、必ず弔事用切手を使うようにしましょう。
最初に「年賀欠礼の挨拶」を書き、次に誰がいつ何歳で亡くなったのか、最後に結びの挨拶で締めて年号と日付を書きます。
喪中はがきの裏面(デザイン面)の文頭には、「拝啓」といった時候の挨拶などの前文は抜きで、喪中のため年賀を欠礼する旨を書きます。
などの挨拶文を書くのが一般的で、誰に対しても失礼にあたりません。
年賀欠礼の挨拶の次は、誰がいつ何歳で亡くなったのか、故人の情報について書きます。
例えば配偶者の父が6月に亡くなられた際は
「六月に義父 状太郎が八十九歳にて永眠いたしました」
「義父 状太郎が本年六月に八十九歳にて永眠いたしました」
などの書き方をします。
※故人の情報は必須ではありません。もし故人の情報を記載したくない場合は、「年賀欠礼」「結びの挨拶」「日付」のみで問題ありません。
年賀はがきで年賀状を書く場合は、最初から切手の下の位置に赤文字で「年賀」と印刷されているため、書き足す必要はありません。
しかし、普通はがきや私製はがきは朱書きされていないため、忘れず切手の下の位置に赤文字で「年賀」と書きましょう。
最後に喪中はがきを投函するときの年号と月を書きます。
例:令和五年 十二月
投函した月に関係なく12月と記載する場合もありますが、11月に届いた喪中はがきの日付が12月と記載されていた場合、受け取った側が違和感を覚える可能性があります。
そのため、日付は投函した月にあわせて書くのがおすすめです。
ここでは喪中はがきが届いたときの対応、喪中期間に年賀状が届いたときの対応など、喪中に関する対応・マナーについて紹介します。
喪中はがきが届いたら、その相手には年賀状を出さないのが一般的です。
ただし、喪中はがきに「お年始状は遠慮なくお送りください」などの一文が書き添えられていれば、相手を気遣う言葉とともに「年始状」や「寒中見舞い」で対応するのがよいでしょう。
※「年始状」とは、年賀状の「謹賀新年」などのお祝いの言葉を控えたものです。
もし自分が喪中である際に年賀状が届いた場合は、寒中見舞いで返事をするのがマナーです。寒中見舞いで年賀状のお礼とともに、喪中のため年始の挨拶ができなかった旨を書き添えると、相手に丁寧な印象を与えられます。
喪中の方に年賀状を出してしまった場合の対処法は以下の通りです。
早い段階で喪中の方に年賀状を出したことに気がついた場合は、郵便局の窓口で「取戻し請求」を行いましょう。「取戻し請求」とは、配達中の郵便物を配達中止にし、自宅に返送してもらう方法のことで、追跡番号がない年賀状にも対応しています。
※集配局を出ていない段階で取戻し請求をした場合は無料ですが、ほかの集配局に出てしまっていた場合は、で手数料として最大580円(2023年10月時点)を請求されます。
取戻し請求は、実際に郵便局の窓口に訪れる必要があるため、すぐに対応できない場合もあります。その際は電話や手紙などでお詫びの連絡をし、改めて喪中見舞いや寒中見舞いを送るのがよいでしょう。
喪中に年賀状が届いたときの返事として寒中見舞いを書くときは、最初に「寒中お見舞い申し上げます」と時候の挨拶、次に年賀状を頂いたお礼と、喪中のために年頭の挨拶を控えていた旨を書きます。
満年齢ではなく数え年、世帯主から見た続柄で書くなど、喪中はがきは細かい注意点があるので、書き損じてしまうことも多いでしょう。
年賀状作成アプリ「スマホで年賀状」は、喪中はがきに使える花柄のデザインが豊富で、年賀欠礼の挨拶や結びの挨拶のテンプレートも用意されているため、年賀欠礼や結びの挨拶の言葉選びに悩む必要もありません。
失礼にあたるような失敗をせず、安心して喪中はがきをつくれます。また、サンプル注文は何回でも無料のため、初めての方でも安心して利用できます。