公開日:2023.12.01
更新日:2023.12.01
日頃お世話になっている方や久しく会っていない友人に対して、気軽に感謝の気持ちを伝えられる「年賀状」。せっかく年賀状を出すのなら、相手に失礼のないようにしたいですよね。
本記事では年賀状の正しい書き方やマナーを紹介します。宛名や住所、本文を書く際に、気をつけるべき点があるため、しっかり確認してきましょう。
年賀状を書く際に気をつけるべき点は以下の5つ。
この5点に気をつけて年賀状を書けば、余程のことがない限り、失礼にあたることや悪い印象を与えることはないでしょう。
年賀状を書く前に確認しておきたいのが「朱書き」についてです。朱書きとは、切手の下に、赤い字で書かれている「年賀」の文字のこと。郵便局が発行している年賀はがきには必ず印刷されています。
しかし、普通はがき(官製はがき)や私製はがきには「朱書き」が印刷されていないため、年賀はがき以外で年賀状を書く場合、切手下に赤文字で「年賀」と書き足す必要があります。
「朱書き」されていないハガキは、年賀状ではなく通常はがきとして扱われ、年内に配達されてしまう可能性があるため、「朱書き」の書き忘れに気をつけましょう。また私製はがきの場合は、切手の貼り忘れにも注意してください。
最初に相手の「住所」を書き、次に相手の「氏名・敬称(ビジネス用なら会社名や役職も)」、最後に差出人の「氏名・住所」を書きます。
※年賀はがき以外の場合は「朱書き」の書き忘れに注意してください。
宛名面の右端に書くのは「相手の住所」です。都道府県を省略せず、丁目や番地の数字は縦書きなら漢数字(一、二、三)、横書きならアラビア数字(1、2、3)で書きます。
住所はなるべく2行以内に収まるように書くと、読みやすくて見た目も美しく仕上がります。1行目は丁目や番地まで、2行目はアパートやマンション名から部屋番号まで書くのが基本です。
住所が長くなりそうな場合は2行目の文字を小さくし、文字バランスを調整しましょう。
※アパート名やマンションの名称は省略せず、部屋番号までしっかりと書きます。建物名を省略し、番地や号のあとに部屋番号だけ記載するのは避けましょう。
相手の名前と敬称を中央に大きく書き、姓と名、名と敬称の間は1文字の大きさほど空けると、バランスが良く見えます。
ここで注意してほしいのが敬称の使い分けです。個人宛であれば「様」が基本で、相手が恩師や医師なら「先生」という敬称を用いても失礼にあたりません。「殿」は目下への敬称になるため、使わないようにしましょう。
会社や組織など団体宛であれば「御中」、連名で送る場合はそれぞれの名前に「様」を書きます。
敬称とは別に肩書き・役職のある相手に年賀状を出すときは、氏名の上に少し小さめに「部長」や「係長」などを書きます。
年賀はがきで年賀状を書く場合は、最初から切手の下の位置に赤文字で「年賀」と印刷されているため、書き足す必要はありません。
しかし、普通はがきや私製はがきは朱書きされていないため、忘れず切手の下の位置に赤文字で「年賀」と書きましょう。
最後に差出人つまり自分の住所と氏名を書きます。裏面(デザイン面)に自分の住所・氏名を書いている場合は、宛名面の記載は不要です。
自分の住所と氏名は、切手の幅または差出人の郵便番号枠の幅に収まるように書きましょう。また、出産して家族が増えたときは、子どもの名前にふりがなをふると、より丁寧な印象になります。
最初に「賀詞」を書き、次に挨拶やお礼など本文、最後に年号を書きます。挨拶文とは別に、近況報告や新年の抱負など、伝えたいことがある場合は、年号のあとに添え書きしましょう。
年賀状の裏面(デザイン面)の文頭には、お祝いの気持ちを表す「賀詞」を大きめに書きます。新年を祝う賀詞の種類は豊富で、「謹賀新年」「迎春」「あけましておめでとうございます」など、年賀状を出す相手にあわせて使い分ける必要があります。
「寿」や「賀正」など1文字・2文字の賀詞は、4文字の賀詞の略式とされており、「新年を迎えましたね」といったカジュアルな挨拶になります。そのため、上司や恩師など目上の方には、4文字の賀詞を使うのが適切です。
※賀詞は”なんとなく”で選ぶものではなく、年賀状を出す相手にあわせて、きちんと選ぶ必要があります。
相手との関係 | 賀詞の種類 | 例 |
---|---|---|
目上の方向け | 4文字 | 謹賀新年・恭賀新年 など |
目下の方向け | 1文字・2文字 | 寿・福・賀・春 賀正・賀春・迎春・寿春 など |
親しい間柄向け | 英文やカジュアル表現 | Happy New Year あけましておめでとう など |
相手を選ばない | 文章 | 新年おめでとうございます 謹んで新年のお慶びを申し上げます など |
ここで紹介した賀詞とは別に、年賀状の相手が闘病中であったり被災したり、状況や気持ちを考慮して「おめでとうございます」の言葉が使いづらいときは、お祝いする意味の言葉を含まない以下のような賀詞がおすすめです。
賀詞の次は、日頃の感謝の気持ちや相手の健康を願う挨拶文を書きます。挨拶文の内容は「謝辞」「祈り」「願い」の3軸が基本です。
挨拶文を書くときの注意点として、句読点を使ってはいけません。句読点は区切りや終わりを連想させ、縁起が悪いため、年賀状には相応しくないとされています。
もし句読点がなくて読みづらい場合は、まとめて1行で書くのではなく、本体句読点を使う場所を改行することで読みやすくなります。
このほかにも下記記事では上司や取引先、親戚、友人などの年賀状に使える挨拶文をビジネス・プライベート別にまとめて紹介しています。ぜひ参考にしてください。
挨拶文を書き終えたら、新年の年号と日付を書きます。
例:令和六年 元日
※注意点として元日は「1月1日」という意味があるため、「令和六年 一月一日元日」といった書き方は間違いです。
近況報告や新年の抱負などを伝える一言の添え書きは、最後の余白部分に書きます。
など、難しく考えすぎず、自分の伝えたい気持ちを言葉にするのがコツです。
もし久しく会っていない方に年賀状を出す場合は、「ご無沙汰しております」「お久しぶりです」などの言葉から入ると、自然な文章に仕上がります。
※一言を添えるとより良い印象になりますが、必須ではありません。「③日付」で書き終えても問題ありません。
ここでは年賀状の挨拶文や一言を書くうえで、使ってはいけない言葉(NGワード)や、ありがちなミスについて紹介していきます。
新年を祝う挨拶状である年賀状において、区切りを意味する句点「、」や、終わりを意味する読点「。」はふさわしくないとされています。
句読点がなく挨拶文や一言が読みづらい場合は、1文字分のスペースをあけたり改行したりすることで、読みやすくなります。
「去る」「滅びる」「病む」など、人の不幸や別れを連想させる忌み言葉は、新年を祝う挨拶として相応しくないため、年賀状で使うのはタブーとされています。
ありがちなミスは「去年はお世話になりました」など、「去年」という言葉を使うことです。「去年」は、「去る」という忌み言葉を含むため、「昨年」「旧年」と言い換えましょう。
忌み言葉の例 |
---|
別れる、終わる、欠ける、冷える、離れる、失う、倒れる、衰える、去る、滅びる、絶える、衰える、破れる、枯れる、病む など |
賀詞の重複は、うっかりやりがちです。例えば、年賀状のデザインには「謹賀新年」や「賀正」などの賀詞が印刷されているものが多いですが、これらの賀詞に続けて「あけましておめでとうございます」などの文章を追加すると、賀詞の重複にあたります。
また、よく間違われるのが「新年あけましておめでとうございます」という文章です。「新年」には明けましてという意味が含まれるため、正しくは「新年おめでとうございます」です。
例年、年賀状の投函期間は12月15日~12月25日で、1月1日(元日)から1月7日(松の内)までに届くように送るのがマナーです。元旦を過ぎてしまっても、1月7日までに届けば失礼にあたらないので安心してください。
投函期間に間に合わなかった場合、元旦に届く保証はありませんが、26日以降でも年賀状を出すことができます。遅くとも三が日以内に投函すれば、1月7日までには年賀状を届けられます。
※年賀状を投函期間よりも早く出すと、普通ハガキとして扱われ、年内に届いてしまう可能性があります。
年賀状をいつまでに出せばいいのか、より詳しく知りたい方は下記記事を参考にしてください。
A. 年賀状を手書きする場合、「補助線を書く」「紙や定規を横にあてて書く」ことで、文字の並びがずれにくく、きれいに書きやすいです。
A. 年賀状に修正テープや修正液を使うことは、失礼にあたります。書き損じた場合は、新しい年賀はがきを用意して書き直しましょう。書き損じたハガキは郵便局に持っていけば、交換してもらえます。 ※年賀はがきなら1枚につき手数料5円かかります
A. 年賀状は年賀はがきのほか、普通はがきや私製はがきでも出せます。ただし、朱書き(赤文字で「年賀」)の書き忘れに気をつけてください。
A. 写真入りの年賀状は、目上の方には失礼と受け取られる場合があります。ビジネス用に年賀状を出す場合は、使わないようにしましょう。
ただし、ビジネス関係の方や目上の方への年賀状であっても、親睦の深い相手であれば、写真入りの年賀状を出しても問題はありません。より密に近況報告ができる写真入りの年賀状のほうが喜ばれるかもしれません。
A. 喪中であっても、故人と面識がない仕事関係者に対しては、ビジネス上の挨拶として年賀状を出しても問題ありません。
また、喪中期間中であれば年賀状ではなく「喪中はがき」を出すのが一般的です。喪中はがきのマナーや書き方については下記記事を参考にしてください。
A. 喪中の方に年賀状を出したからといって焦る必要はありません。
一般的には喪中の方に年賀状を出すのは控えたほうがよいとされていますが、実際のところは先方への気遣いが大切です。年賀状を出してしまったからといって、必ずしも失礼にあたるわけではありません。中には年賀状を毎年楽しみにしており、送っていただく分には問題ないと考えている方もいます。
それでもやはり相手に配慮して取り下げた方がよいと思った場合は、以下のいずれかの方法で対処しましょう。
A. 喪中期間中に年賀状が届いたら、寒中見舞いで返信するのが一般的です。年賀状に対するお礼と、喪中であったことを伝える返信をしましょう。
A. 1月7日の松の内までに年賀状を返信するのは難しいので、年賀状ではなく「寒中見舞い」として、年賀状に対するお礼の言葉を添えて返信しましょう。
年賀状は出す相手にあわせて、賀詞や挨拶文などの書き方を変える必要があります。年賀状を書き慣れていない方は、本当に正しく書けているのか不安になりませんか?
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※デザインを選ぶときは「賀詞の文字数」と「写真の有無」に気をつけてください。